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家づくり初心者講座Lecture
工事編
2013.04.16
仕上げの工事
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この前、和室ができていくところを見たけど感心しちゃったよ。
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本当! 最近は、現場に見学に行くごとに、どんどん家らしくなっていくわね!
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最初は何にもない、空き地だったのにね。
躯体工事が終了すると、他の工事とともに造作工事が進行していきます。『造作工事』とは、注文住宅の構造部材以外の大工さんが行う木製部材の加工や工事をいいます。広くは、外装工事や内装工事の“木”に関わる施工を含めることもありますが、玄関ドアや扉、階段、収納などいろいろな工事があります。
在来木造工法の場合、見積書では木材の加工や躯体工事を含めて『木工事』と記載されていることもあります。『造作工事』が終了すると、『雑工事』、『駄目工事』、『美装工事』と完成へ向け進んでいきます。
造作工事
造作工事の様式は、大きく『和室造作』と『洋室造作』に分けられます。近年使用される造作材は、シックハウス症候群対策として低ホルムアルデヒドや抗菌など、環境と健康にやさしい建材が好まれる傾向があります。また、バリアフリーやユニバーサルデザインを取り入れたり、無垢材や天然木といった素材感の本物志向も高まってきています。
和室造作
日本の伝統的な様式の起源は、室町時代の“書院造”にあるといわれ、長い年月をかけていろいろなタイプが発展してきました。和室の造作には、敷居や鴨居、障子、襖(ふすま)などがあります。これらは、装飾として扱われていますが、元々は構造の一部で現在でも構造材としてつくられることもあります。障子や襖(ふすま)は、その注文住宅で採用されている寸法や納まりによってサイズが異なるので、多くは現場で採寸をして製作します。
- 鴨居(かもい)
- 構造の梁(はり)・桁(けた)などへ水平方向に架ける構造材のことで、襖(ふすま)や障子などの引戸の開口上部の溝を設けた部材のことです。
- 敷居(しきい)
- 鴨居と対になり、襖や障子などの建具を立て込むために開口部の下部に取り付ける、溝やレールがついた水平材のことです。
- 明かり障子
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採光するために、木の枠の片面に白紙を貼った障子のことで、よく見る障子のことです。
- 襖(ふすま)
- よく和室や押入れの扉などに使われている日本独特の間仕切り建具のことで、「襖障子(ふすましょうじ)」と呼ばれることもあります。
- 欄間(らんま)
- 天井と鴨居(かもい)の間に採光・通風などのためにつけられる、格子(こうし)や鳥や草木などの透かし彫りの板などを取りつけた部分で、装飾を兼ねてつけられることが多いです。
- 床の間
- 和室の中で、生け花や掛け軸などが飾られている、一段高くなっている部分のことです。
- 床脇(とこわき)
- 床脇棚(とこわきだな)とも呼ばれ、床の間の横につくられる、違い棚や壁から張り出して取り付けられる戸棚など収納スペースのことです。
洋室造作
洋室の造作には、玄関や廊下、洋室、水まわりの空間に施工される造り付け家具や建具、手すり、階段などがあります。造作材は、正しい取り付け位置に、水平・垂直・平行になっているか、スムーズな動きをしているかなどに注意して、ガタつきがないよう納まりよく設置してもらいましょう。
- 造り付け家具
- その注文住宅のために、使用する目的や空間に合わせてつくる、建物の一体となったオーダーメイド家具のことです。素材・デザインは理想に近い形で実現できますが、基本的に移動や撤去させることはできません。収納やテーブルなどに採用されます。
- 建具
- 玄関のドアや格子戸、室内ドアなど注文住宅の開口部に取り付けてある仕切り、つまり“扉”や“窓”のことです。和室の「障子」や「襖(ふすま)」も建具の一種です。建具屋さんや大工さんが、採寸・製作・施工の3段階を経て取り付けますが、最近では既製品建具を採用することも多くなってきました。建具自体の施工と一緒に、ノブや鍵などの建具金物の取り付けも行います。
- ドアや扉の開閉方式には、片開き、片引き、引き違い、両開き、中折り戸、引き込み戸などがあります。使い勝手を考え、どのタイプにするか設計士さんや住宅会社さんと相談してみると良いでしょう。他に、防音扉やアコーディオンカーテンもあります。
- 洋室を美しく保つためにつけられる造作材
- 人の体が直接当たったり、掃除機が当たったりする部分には、幅木(はばき)や上り框(あがりかまち)、見切材などの洋室造作材を施工します。これは、壁や床に傷がつくのを防ぎ、注文住宅を美しく保つために重要な働きをします。これらの洋室造作材には、一般に堅木(かたぎ)のような硬木で堅固な木材が使用されます。
- 幅木(はばき)
- 靴などで壁が傷つくのを防ぐためにつけられる、壁の床に接する部分に張る横板のことです。
- 上り框(あがりかまち)
- 玄関の土間と上がり口の間の横に通した化粧材のことです。
- 見切材
- 仕上げ材の変わる取合の部分に入れる化粧部材のことです。
雑工事
雑工事とは、他の工事に分類しにくい工事のことで、依頼会社さんや施工によっては内装工事や設備工事として行われます。また、外部雑工事と内部雑工事に分けられていることもあります。具体的には、外部雑工事はバルコニーやサンデッキ、内部雑工事は造り付け収納やユニットバス、システムキッチンや食洗機の取り付けなどのキッチン設備の取り付けといった施工があります。
- 造り付け収納
- 雑工事で施工される造り付け収納には、ビルトイン収納や床下のユニット収納などがあります。造り付け収納は、造作工事として行われることもあります。メリットは、機能やデザインを自由に決められ、デッドスペースの有効活用やすっきりと収納できることです。デメリットとしては、設計段階から計画する必要があり、一度設置すると変更が難しい、完成品をあらかじめ確認できないことがあげられます。
- 注文住宅を建ててからの反省点として、『収納スペース不足』がよくあげられます。造り付け収納を設置すると、仕様によっては割高になることもあるので、本当に必要なのか、また不足はないかをよく検討しましょう。
- ユニットバス
- ユニットバスといっても、ホテルにあるトイレと浴槽が一緒になったものばかりではありません。浴室そのものを1つのユニットとして、壁・床・天井をボックス状に組み、その中に浴槽を設置した「組立式浴室」のことです。ユニットバスは、工期が短い、漏水が少ない、暖かい、掃除がしやすいなどの理由から、現在の注文住宅の主流となっています。サイズがあらかじめ決まっているので、デザインを気に入ったとしても取り入れられないケースもあります。
- 床が濡れていても滑りづらいタイプや、バリアフリー仕様のものなど様々なタイプが出ています。ショールームに見学に行ったり、依頼会社さんに相談して納得のいくものを設置してもらいましょう。
駄目工事
駄目工事とは、仕上げ工程の最終段階で、まだ残っている施工や不具合部分の手直し工事のことです。造り付け収納のパイプ取り付けなど、細かい施工をします。施工業者さんは、チェックシートなどを用いながら確実にできているかを確認していきます。
美装工事
美装工事とは、竣工前の清掃やクリーニングのことです。長い時間をかけてつくりあげてきた“注文住宅”が、キレイにピカピカになります。
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あんなにホコリっぽくて、住めるかな?って不安だったけど、見違えたわね。
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木のいい香りがして、リラックスできそうだよ。
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新しい生活が楽しみだわ!
施工事例検索
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